今回のお客様は声楽家の方で、音楽教室を開きたいとのことでご相談いただき工事をさせていただきました。
今回は木工事ではなく、軽天工事で防音室を作成しました。
現場がマンションの一室でしたが、防音工事をしました結果、周囲の入居者の方からのクレームは一切ありません。
施工前の室内の様子です。
1Kですが約20畳あり、とても広いです。
ですが年数が経っていることもあり、床がかなり下がっていたので解体して下地を組みなおすことにしました。
床の解体の様子です。
OAフロアというもので、年数が経っているためところどころ足が傾いていました。
解体が終わり、軽天で下地を組んでいきます。
この軽天の間に吸音材を入れ、その上に遮音材を敷き、合板を貼ります。
床の断面です。
上から、合板→遮音材→合板→遮音材と2重に貼っています。
遮音材と遮音材の間に特殊なコーキングを入れ、隙間ができないように施工します。
壁の施工途中の様子です。
遮音シート・グラスウール(吸音材)を貼って下地を組み立てていきます。
梁にもしっかりグラスウールを充填していきます。
グラスウールは密度や厚さによって音域の吸音率が違います。
今回のグラスウールは48kg50mmですが、比較的全体の音域を吸音してくれます。
石膏ボードも貼り終わりました。
電気屋さんもこまめに状況を見に来て施工していきます。
仕上げの天井材を貼っている様子です。
この天井材も防音材なのですが色々なデザインがあります。
壁の方も石膏ボードの上に防音材を貼り、軽天工事は完了です。
次は大工工事に移行します。
フロア材を貼っている様子です。
今回はお客様のご希望で壁・床・天井・ドアすべて白いものを使用します。
床が傷つかないようにしっかり養生を敷いて作業台など移動しながら施工していきます。
防音ドアの取り付けが完了しました。
普通のドアの重さは大したことはないのですが、この防音ドアは鉛や防音材が詰まっているためかなり重いです。
ドアノブを上下に動かして気密性をとる仕組みになっていて、中で作業している音もほとんど聞こえませんでした。
これは換気扇の外部フードです。
音は空気を伝わっていくので、普通換気扇の外部フードではそこから音が漏れてしまいます。
なので防音機能がある特殊な外部フードを使用しています。
電気工事、内装工事の方も完了しました。
今回の現場はマンションですので、警報機も設置しました。
防音室を作成する際は吸音性能があるコットンクロスを使用しています。
当社の防音室はグラスウール、二重サッシを採用しているため断熱効果も抜群です。
完成後音響測定を行いました。
音楽室中心部で100㏈発生させサッシ側・玄関側で測定したところ、サッシ側で-41㏈、玄関側で-39㏈でした。
実際の耳で聞くと、隣の道路で車が通るとほとんどわからず、静かになるとひそひそ声程度に聞こえるくらいでした。
お客様にご感想をお聞きしたところ、お隣からのクレームはなく、内装も希望通りで冷暖房も最小限で済むということで、大変ご満足していただけました。
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